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手織りの絨毯とは

ペルシャ絨毯がペルシャ絨毯である由縁はやはり何といっても手織りならではの精度と華麗なる紋様があげられます。ではいかにして一枚の絨毯が織り上げられていくかそのプロセスを以下に述べてみたいと思います。 壁に沿って直立する機の上下2本の横木にコットン又はウールの縦糸を垂直に強く張り、その下に座った織り手は縦糸の上方から垂れる各色の糸のたまの中から必要な色糸を左手で引きその糸を縦糸の2本にからみつかせ、それと同時にナイフで糸を切る。
こうして縦糸に一つの色の結び目、即ちノットが一つでき、そのノットの隣り合わせにもう一つのノットを、そして更にもう一つと、あたかも神業としか思えないようなスピードで同様の作業を繰り返し、横一列が出来上がると初めて横糸が差し込まれ、櫛に似た器具で目を硬くした上で新しく段を重ねていきます。この場合縦糸に横糸を絡ませる方法は2通りあり、それぞれトルコ結び、ペルシャ結びと呼ばれています。トルコ結びはヨルデース結びとも呼ばれ、トルコ、コーカサス、イランの一部で使われ、ヤーナ結びの名でも知られているペルシャ結びは主にイラン及びイラン以東で使われています。
もちろん一人でカバーできる幅は自ずと制限されますので、幅広の作品を制作する場合には何人かの織り手が横にならんで作業する事になります。この場合、他の人が使う色との兼ねあわせ、進み具合など一人の場合と異なり各種の問題が生ずるため図柄、色調等全てを理解したマスターがそれぞれの織り手の後ろでしかるべき指示を与えることもあります。

トルコ結び ペルシャ結び

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素材

ペルシャ絨毯に使われる素材のうち一番良く使われるものはウールで、次に山羊、ラクダの毛、コットン、シルクを挙げることができます。ウールで最上のものとされているものはイランの西部、トルコ国境寄りのクルド族の居住する地方で産出されるもので、この良質ウールによりペルシャ絨毯は一層その名を高めているといって良いでしょう。
山羊の毛は、主にトルクメン地方の絨毯に使われ、また頑強で耐久性の強いラクダの毛はイランの東部に多く使われています。
コットンは縦糸、横糸の素材として各地で使用されていますが、ノットを形成する織り糸としてはほとんど使用されておりません。
また、源を中国に見出すことの出来るシルクの絨毯はその殆どが由緒正しい寺院、祈祷用、皇族用として作られていました。また100%シルクではなく一部の模様を絹糸で織り込んだパートシルクとでもいうべき作品も作られておりその効果を高めています。

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染色

染料は大別して自然染料と化学染料の2種類に分かれ、自然染料は藍、サフラン、ヘンナ、樹皮、果物の皮、葉などから抽出され、その方法は各々の染色工房により異なりその工房秘伝とも言えるものでした。一方、化学染料はコールタールの廃棄物から製造されます。
一般に自然染料を使った場合は色が永続し、化学染料の場合は色があせると考えられがちですが、これは誤りで特に化学染料は光による変色もなく洗濯も可能で、本来の色をそのまま保持することができます。また何年間も使用したあとでもクリーニングすることで新品のよ うに見えます。
自然染料の場合、日焼けや時の経過と共に古色を帯びてきますが、その結果色に丸みが生まれ、やさしく暖かみのある色合いをかもしだし絨毯の魅力を一層引き立たせます。もちろん現在でも、カーペットの多くは自然染料を使っていますが、事実全体の一割位の作品に化学染料が利用されています。また、化学染料を使用する場合、適正の分量の自然染料と混合すると新しい魅力的な色合いが出ることもあります。自然染料を挙げてみましょう。

染料 詳細
多年生の植物でその根を乾燥させ、粉にしたものを染料とする。3年未満のものは使えず3~4年の茜からはやや青みがかった赤が得られる。染料として最も有効なのは5~7年目のもので9年経つと色は出ない。
日本の藍はタデ科の蓼藍から得られるが、イランにはこの植物はなく、豆科の印度藍を使う。
柘榴 果物の皮を干して使うイスペレクひめはぎ草に似た牧草の一種。単独では褪色しやすいため柘榴と混ぜて使う
葡萄の葉
樫の木
明るく緑がかった黄色に染まるが味わいに欠ける。インディゴと柘榴または葡萄の葉の染料と混ぜて作る。
胡桃の木 堅い殻を砕いて煮詰めるとキャラメル色に近い茶になる木の皮を染料とする
羊毛 黒い羊からとれた羊毛を染めずに使う。漂白すると糸が弱くなるため純白には羊毛ではなく絹糸を使う

これらの染料を使った行程では、色止めとしてレモン・葡萄の葉などの酸味の強い果物等の液を用います。

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産地

Isfahan(イスファハン)
ペルシャ中部、標高約1600mの高原にあるイラン第2の都市。16世紀の末にサファビー朝ペルシャの首都に定められて以来、脚光を浴びるようになった。イスファハンはイラン有数の宗教勢力の拠点でもあり、現在、モスクの数は500近くにのぼります。
イスファハンの絨毯はサファビー朝の崩壊後、長い空白期間があったため、その間100〜200年のアンティークは皆無に等しい。しかし今世紀初頭に古都の威信をかけて再び絨毯製作に取り組むようになってからの進歩はめざましく、教のペルシャ絨毯の中では最高級品の一つとされる。紡糸、染色、デザインなどすべての面に品質管理がゆき届いており、1㎡あたり80万を超える驚異的な細かい織りも他の産地の追随を許さない。

Qum(クム)
イスファハン、カシャーンとならんで日本では最も知名度の高い産地である。
1930年代始めに絨毯の製作を開始する。
シーア派の十二イマーム派の総本山であり、モスクや神学校が多く、人口のかなりの部分を聖職者が占めている。クムの絨毯作りはカシャーンの職人の指導のもとに始まり、短期間のうちに長足の進歩を遂げた。特に1960年代の発展は目を見張るばかりであった。パートシルクの生産が始まったのもそのころである。近年はオールシルクの絨毯に力を入れており、その華やかな色彩と確かな技術に支えられた多様な文様に人気がある。後発展地としての利点を最大限に生かし、他の生産地で好評を博した意匠を積極的に取りれている。伝統にこだわることなく、敏速に海外の市場の動向や、時代の流れに従う柔軟性は、宗教面での頑固さと著しい対照をなす。

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色とその意味

ペルシャ絨毯における色は単に色調としての色だけでなく中世ヨーロッパにおいて同様にそれぞれしかるべき意味をもっております。次にそれぞれの例をいくつか挙げてみます。

その意味
ペルシャのみでなく東洋世界で、嘆き、悲しみを象徴する。また、
"死"との連想から平和の意味も含まれる。
ペルシャ国を代表とする色でもあり、白と同様平和を象徴する。
モハメッドの旗が緑だった為、畏敬すべき色として見なされており、不死をいみする。
悲しみ、邪悪、破壊を象徴するためほとんど使われない。
喜び、生命、善を象徴し、ペルシャ絨毯ではよく使われる。
権力の象徴。
孤独の象徴。
土をあらわす色の為、肥沃を象徴する。
知恵の象徴。
宗教的恭順。

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模様とその意味

ペルシャ絨毯の魅力は何といっても狩猟文様、庭園文様、唐草文様、動物文様などの負うところが大きいといえましょう。一言でペルシャ絨毯の図柄といっても上記のように各種のパターンを挙げることができ、複雑多岐にわたっています。それぞれの図柄は、各部族・町・村により代々伝統的に受け継がれ、その最小の単位として家族も挙げることができます。しかしながら最近は各部族間の交通事情の発達と共に増大し、各図柄が複雑に混同しまた外国から図柄指定の注文も受ける為、一部伝統的なパターンが崩れ始める傾向がままみられますが、やはり尚も現在従来のパターンを継承しているといってよいでしょう。
以下に主だった産地をあげ、それぞれ固有の図柄を紹介してみたいと思います。

産地 文様
タブリーズ 有名絵画を絨毯に織り上げるのが得意。コルクウールとシルクを交えたゴージャスな感覚の絨毯が数多い。
バルーチ 数々のバリエーションがあり、各家庭に独特のパターンがあるが、普通左右対称形を成すものが多く、緑の部分にランニングドッグの図形が利用される。
イスファハン メダリオンの模様を中心にその周りを唐草文様で覆う左右対称の図柄。具体的なモチーフ、例えば、鳥、生命の樹、花瓶を取り入れたものは全体の5%位しか見られない。
カシャーン 図柄はきわめて豊富。
花、葡萄の木、アラベスク、シャーアッバス風のパルメット
祈祷用文様。
クム カシャーン、イスファハンなどのカーペットからヒントを得て独自のパターンを編み出している。
中央が花壇のように区切られその中に花の図、鳥、夕翼ライオン、ドラゴン、狩猟文、歴史的素材を織り込んだものが見られる。
ナイン 地理的関係もあり、メダリオン文様など、イスファハンと類似性が強い。

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紋様とその意味

色の意味合いと共に、紋様にはそれぞれ形以上の意味合いを含んでいます。それぞれの意味を知るのも絨毯鑑賞上の一つの見所と言えます。

紋様 その意味
家庭の幸福
生命の木 生命力(幹は父を表し、枝はその子孫をあらわす)
長寿の象徴
肥沃の象徴(鷹が大樹に飛び降り、その木から落ちた葉が世界を豊かにしたというメソポタミアの伝説に由来する)
砂時計 誰もがその運命から逃れられないことを意味する
垂れ柳 /糸杉 悲しみ、死の象徴
常緑糸杉 死後の生命の象徴
肉体、精神的純粋性の象徴
水差し 清潔(イスラム教では水差しを使って指先を洗浄する教えがある為)
チューリップ 偽善の象徴(花が閉じているときは一見非常に高貴に見えるが内側に黒い芯がある為)
ジャスミン 予期、期待(極楽の美女の腰にはジャスミンの香りがする)
アーモンドの花 若さ、愛、憧れの象徴(1つの殻の中に2つの実があり、若いカップルを連想させるため)
さそり/ 毒蜘蛛 悪徳、毒、自衛
らくだ 富、幸福(生きている間は水を貯え、死ねば食料となり、毛は織物に使える)
人を泥棒、魔力、病気から守るもの

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年代

年代 カーペットを年代別に区別すると次ぎのようになります。

カーペット名称 年代
アンティークカーペット 100年以上経ったもの
セミアンティークカーペット 50年以上経ったもの
オールドカーペット 25~50年経ったもの
セミオールドカーペット 古色の出ていないもので使用済のもの

アンティークカーペットは商取引の場には余り出回りませんが、一般的に言って古いものほどオリジナルなパターンをとどめており、しかるべき古色も出て、珍重されています。

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